子育てをしていると、育児書や学校教育の中で
「問題解決力を育てましょう」
という言葉によく出会います。
社会に出て困難にぶつかったとき、自分の頭で考えて乗り越えられる力。
それが子どもたちの未来に必要だ、と。
でも、ふと周りの大人を見渡したとき、私は違和感を覚えました。

お手本を見せるべき大人たちが、問題を解決できなくなっているのではないか。
🌸 不満があるなら、まず本人に伝える
誰かに対して不満や疑問を持ったとき、本来どうするべきでしょうか。
答えはシンプルです。



直接、本人に伝える。
それが難しければ、信頼できる第三者に間に入ってもらう。
人と人とのあいだで何か問題が起きたとき、解決への道はいつもそこから始まるはずです。
ところが最近、SNSを眺めていると、その「当たり前の一歩」を飛ばして、いきなり不特定多数に向けて発信している大人をよく見かけます。
特定の誰かへの不満を、本人ではなくフォロワー全員に向けて発信する。相手にアテンションも入れず、スクリーンショットとともに「これどう思いますか?」と問いかける。
当事者同士で話し合う前に、問題がインターネットの海に放り出されてしまうのです。
🌸 SNSで発信しても、相手に届くとは限らない
ここで一度、立ち止まって考えてみてください。
SNSやYouTubeでの発信は、基本的に
興味を持った人が受け取りに来る
仕組みです。
お店がSNSで情報を発信しても、そのお店に興味のない人には届かない。
それと同じで、自分のアカウントで何かを発信しても、ターゲットの相手がそれを見ているとは限りません。
どうしても直接伝えたいことがあるなら、DMやメールなど、相手に確実に届く手段を選ぶべきです。
「発信した」と「伝わった」は、まったく別のことです。
🌸 問題を解決するどころか、複雑にしている
さらに困るのは、こうした一方的な発信が問題を解決するどころか、むしろこじれさせてしまう点です。
当事者ではない第三者がコメントをつけ、感情的な意見が飛び交い、本来ふたりの間で静かに解決できたはずのことが、大勢を巻き込んだ騒動に発展していく。
SNSではそのような場面を、数えきれないほど目にしてきました。
これは子どもの世界のいじめ問題と、構造がよく似ています。
当事者同士で向き合わず、周囲を巻き込んで相手を追い詰める。
大人がやっていることと、本質的に変わりません。
🌸 子どもたちは、大人の「解決する姿」を見ている
私がこの問題をとくに深刻に感じるのは、子どもたちがそれを見ているからです。
親が誰かへの愚痴をSNSに書き込む姿、問題から目を背けて第三者に同意を求める姿——子どもたちは親が思う以上に、大人の行動をよく観察しています。
「問題が起きたら、こうやって解決するんだ」と無意識に学んでいるのです。
育児書には「問題解決力を育てましょう」と書いてあります。
でも一番の教材は、家庭の中で親が問題に向き合う姿そのものではないでしょうか。
うまくいかなくてもいい。大切なのは、逃げずに向き合おうとしている姿を見せること。
🌸 私が大切にしていること
自分を変えることはできても、他人を変えることはできない
これは私が子育てをする中で、何度も何度も自分に言い聞かせてきた言葉です。
SNSで誰かを批判したところで、その人は変わりません。
変えられるのは自分の行動と、自分の子どもへの関わり方だけです。
誰かへの不満をSNSで発散させることに、子どもたちの未来を変える力はありません。
でも、目の前の我が子に「問題が起きたときはこうするんだよ」と伝え続けることには、確かな力があると信じています。
ネットが発達して、便利になった世の中だからこそ。
人と人とが直接向き合うことの大切さを、私たち大人が改めて見直す時期に来ているのかもしれません。
