東京ディズニーリゾートの入場料が、また上がります。
2026年10月から、大人の1デーパスポートの上限は1万2400円になると報じられています。開園当時の1983年は3900円でした。2019年には7500円です。
値上げのたびに「もう家族では行けない」という声が上がります。
家庭にとっては、一見すると悪いニュースです。
ただ、データを並べてみたら、別のことが見えてきました。
値上げしても、収益は過去最高
運営会社のオリエンタルランドは、2026年3月期に過去最高の売上高を記録しました。売上高は7,045億円で、前期比3.7%増です。
入園者数は2,753万人で、ほぼ横ばいでした。増えたのは、ゲスト1人当たりの売上高です。1万8,403円と、こちらも過去最高でした。
ただし、営業利益は前期比2.1%減の1,684億円です。人件費などのコストが重かったと説明されています。
客数を増やすのではなく、1人当たりの単価を上げる形に入っているようです。

子どもや若者の来園は減っているのでしょうか
18〜39歳の来園比率は、2018年に50%を超えていました。2025年は40%まで下がっています。人数にすると、1657万人から1109万人へ、3割以上の減少です。
子どもの来園者は、9年間で200万人以上減ったという報道もあります。一方で、40代以上の来園者は増えているとされています。
もっとも、「若者離れ」は誇張された言説だという指摘もあります。20年分のデータを追った分析で、こちらは会員限定記事のため、根拠の詳細までは確認できませんでした。
「若者離れ」と断定はできません。ただ、子どもの頃から通う形は変わりつつあるという見方もあります。

東京ディズニーは「借りて運営する」パーク
背景にある仕組みも知っておきたいところです。
オリエンタルランドは、ディズニー本社とのライセンス契約で東京のパークを運営しています。
世界に6カ所あるパークのうち、この方式は日本だけです。ディズニー側は資本参加せずに、ロイヤリティを受け取っています。
その額は、2019年3月期に約310億円、2023年3月期に約288億円と報じられています。
料率は、入場料の10%、商品売上の5%と推定されています。
これは契約に基づく正当なビジネスで、良い悪いを言う話ではありません。
パークの収益の一部は、最初から海外の権利者へ渡る仕組みです。
日本のキャラクターは、すでに強くなっている
サンリオの2026年3月期は、売上高が1,940億円で前期比33.9%増でした。
営業利益は778億円で、同50.3%増です。5期連続の増収増益で、営業利益率は40.1%でした。
ちいかわは、2020年にX(旧Twitter)での連載から始まりました。
2022年にアニメ化され、「日本キャラクター大賞」のグランプリは4回目の受賞です。
アンパンマンは、1973年の絵本が大人からは不評でした。それでも、幼児の間で人気が広がっていったと伝えられています。
矢野経済研究所によると、国内のキャラクタービジネス市場は、2025年度に2兆8,767億円と推計されています。2026年度は2兆9,635億円に達する見通しです。
なお、この数字には海外のキャラクターも含まれています。
巨大な広告費がなくても、人の心をつかんだキャラクターは、日本にもあります。
私の見方
ここからは、私の見方です。
ディズニーランドに頻繁に行けなくなる家庭が増えれば、子どもがディズニーのキャラクターに触れる機会は、少し減るかもしれません。
その分、身近な日本のキャラクターに親しむ機会が増える可能性はあります。
ただし、これは因果関係が証明された話ではありません。サンリオの成長は、海外展開やライセンス事業が牽引しているとされています。
また、ディズニーのキャラクターを否定したいわけでもありません。
研究では、幼い子どもはテレビ広告の説得意図を理解できないとされています(米国心理学会の作業部会)。
キャラクター付きの包装で、お菓子の味が好まれる実験結果もあります。
一方で、プリンセス文化の影響を追った研究は、結果が割れています。
大切なのは、どのキャラクターに触れるかを、家庭で選べることだと思います。
日本のキャラクターが海外で稼げば、その収益は日本に戻ってきます。
ロイヤリティを海外へ払う構造とは、そこが違います。
もう一つ、大事な点があります。
日本のキャラクターの世界も、値上げと無縁ではありません。
サンリオピューロランドも、2026年8月に大人のデーパスポートの上限を5,900円から6,900円へ引き上げました。
テーマパークのフリーパス最高価格は、平均で初めて5,000円を超えたそうです。
家計への負担は、日本のキャラクターにも及びます。
値上げをきっかけに、お金のかけ方を見直す機会にしたいところです。
たとえば、アンパンマンが生まれた背景を知ると、キャラクターへの見方が変わるかもしれません。
まとめ
ディズニーランドの値上げは、ディズニーキャラクター好きの家庭には重い負担です。
ただ、それをきっかけに、身近なキャラクターの魅力を見直す考え方もあります。
あなたのご家庭では、好きなキャラクターとどこで出会いましたか。
選ぶ力は、知ることから育ちます。
身近な人の好みと被らない、自分だけのキャラクターを探してみるのも楽しそうですね。
参考にした情報
- 値上げディズニーの「オワコン化」が始まった(J-CAST)
- 東京ディズニーリゾートがまた値上げ…(@DIME)
- ディズニー「若者離れ」はウソ?(ビジネス+IT)
- オリエンタルランド 2026年3月期決算(時事ドットコム)
- オリエンタルランド秘史(ガバナンスキュー)
- サンリオ 2026年3月期決算(gamebiz)
- キャラクタービジネス市場(KAI-YOU)
- 誕生から4年で国民的キャラ 今や「世界のちいかわ」に(nippon.com)
- アンパンマン誕生の背景(nippon.com)
- APA Task Force on Advertising and Children
- Licensed Characters on Food Packaging(Yale News)
